プロセス / ノウハウ 4話



今日は「印刷物」について、書いてみようと思います。


印刷する物。
実にさまざまなものがありますが、新聞や雑誌といった大きなものではなく、今回はルックブック、リーフレット、会社案内、フリーペーパー等といった、「表現、事業やサービスの説明、自主発信、小さな出版」などの目的で、自分たちの活動規模や価値観に見合うことを紙の媒体にした印刷物のお話です。



現在、印刷をする印刷会社は大きく分けて2つのタイプがあります。
1つは、担当者や営業マンがいて、直接会社を訪問したりもできる印刷会社。
もう1つは、仕様や紙の決定から入稿まで、すべてをネット上で行う印刷会社。

違いは、製造工程にあります。
前者は、1クライアントに対して1回印刷機を動かします。
後者は、様々なクライアントのデータを付け合わせて、1回印刷機を動かします。

色合いなどにこだわるなら前者ですし、安上がりなのは後者です。
どちらがいい悪いという事ではありません。
そして、どちらの印刷会社も企業努力をしています。


僕自身、印刷のノウハウを身につけたのは独学でした。
一番最初は、NYのカルチャーマガジンを自主出版している友人の紹介で、印刷会社の営業の方と会いました。
それから10年の間に、色々な印刷物を作りながらわかった事を書きます。


作る時は、まずクライアントや共同制作者と打ち合わせやヒアリングをします。
そこからだいたい2週間ぐらいの間にどんな存在で、どのような機能を持った印刷物かを導き出していき、次に構成、判型・紙種・部数といった仕様、協力スタッフの決定などを具体化していくという流れになることが多いです。
僕の場合、これらを2話で”カルチャー的に取り組む”と書いた「企画作り」にリンクしたやり方で行っているので、そこは独自なのかもしれません。

企画が出来れば、次は写真や動画撮影をしたり、レイアウトといった”作る”にあたる「制作と編集」があります。

その間に並行し、イメージに合う紙や予算など「実現可能」な範囲内で、印刷会社とのやりとりを進める感じです。



”やり方”や”進め方”は大事ですが、いいものを作ろうと思うと内面から滲み出た「姿勢」が大切です。


作る過程には、たくさんの判断があります。

資料を見る事もあると思います。

判断は「選ぶ」でもありますが、すべてが「選ぶ」になっていては世間の溢れる情報の中ですぐに平均化されてしまいます。

取り組む姿勢があれば、向き合って「答えを出す」ことができます。

答えを出した事が1つでも2つでもあれば、オリジナリティとクオリティに繋がるのはもちろんですが、クライアントは不思議と「何かいいね」と気づいてくれるものです。




例えば、何かの分野でもの凄くいいものを作っている方がいたとします。

それは嫉妬するほどいい出来の仕事です。

嫉妬は、自分次第で「リスペクト」に置き換えることができます。

リスペクトは、尊重です。
リスペクトには、嘘がありません。

尊重の気持ちがでてくると、そのいいものを作る人の、情熱や、どれくらい続けて来た事かや、コンディション作りや、ストイックさなど、内に秘められた何かがわかって、自分の中の別の何かに置き換えれるようになってくるはずです。

それが、次第に血となり骨となり、取り組む「姿勢」になってくるのです。

僕は、印刷物をやり始めた頃、まわりの優れたアパレルデザイナーが「Tシャツを1枚デザインする」のクリエイティビティーと置き換えながら、制作していました。




この様にして、いくつかの角度からのアプローチがプロセスになっているのですが、僕の場合は見本になる人が居ませんでしたし、いいものが作れるようになったかなと思えるまで時間がかかりました。

今は、答えはその時その時のケースバイケースですので、上記のようにオリジナリティや内容を追求するときもあれば、本質をそっと聞き出して形にするのが必要なときや、平均的にいいものを作ろうと取り組むことも、様々な場面が出てきているので、昔は苦手だったケースも含めてオールラウンド的にやれるように努めています。

印刷物を作れるのは、僕のような人間もいますし、印刷会社によってはプリンティングディレクターという肩書きの頼れる人もいます。また、インターネット上でのみやりとりする印刷会社でも、内容によっては十分綺麗に仕上がります。

また、印刷のプロセス / ノウハウについてのご質問などがあれば、僕が関わっている方と周りにいてくれる人の障害になるような事がなければ、できるだけお答えさせていただこうともおもっています。



印刷物は、企画と制作と編集


1つのプロセスの話し◇


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